「デュエル」はいずこ?

この日の選手から「気迫」のようなものがあまり感じられなかったが、それは筆者だけだっただろうか。

球際での激しさ、攻守の切り替えの早さなど、いわゆる「インテンシティ」が欠如するシーンが多く見られてしまった点も非常に残念である。

前任のヴァイッド・ハリルホジッチ監督時代には「デュエル」というキャッチフレーズが代名詞であった。

当時の日本代表が、ボスニア生まれのフランス人指揮官が求めていた通りのプレーが出来ていたかは意見が分かれるところではあるが、少なくとも、ここまで「緩い」試合は前政権ではあまりなかったのではないだろうか。

「レギュラー」と「控え」という構図が明確になり気概が損なわれたのか、本番に影響が出そうな接触プレーを恐れていたのか、その理由はわからない。

ただ、これまで伸ばしてきた(伸ばそうと試みた)特徴までが失われつつある点は、とにかく残念だ。

ワールドカップ最終予選のオーストラリア戦、またはブラジルとの親善試合(におけるいくつかのシーン)などで発揮した、「デュエル」はこのままどこかに葬り去られるのだろうか。

本大会時にはその意識が変わっていることを願うしかない。