オランダのミハイロヴィッチ

バイスの特徴を一言で言えばさしづめ「オランダのミハイロヴィッチ」といったところだろうか。

FC東京との試合では大きな声で3バックを引き締めたことから、コーチングや闘争心といった面に注目が集まったが、彼の売りはキックの質が高いことである。

2017-18シーズンのAリーグでは1583本のパスを成功させた。これはリーグで一番の数で、また3アシストを記録している。そうしたパス面での活躍から「(DFという)ポジションを無視している」という高評価を得た。

また、Aリーグでのゴールはなかったが、オランダ時代からずっとセットプレーを担当してきておりその右足から数々のFKゴールを決めている。

勿論そうした選手にありがちな守備のおざなりさもない。Aリーグでは73%の空中戦の勝率を誇り57%のタックルを成功させた。2017年のJリーグで73%以上の空中戦の勝利を見せたのはマウリシオ(浦和)の73.5%と鄭昇玄(鳥栖)の74.1%だけであり、屈強な選手が揃うAリーグでその強さは相当なものだ

シドニーFCは2017-18シーズンに圧倒的な強さをあげて優勝したが、その中であげた失点はわずか22(2位ニューカッスル・ジェッツで37失点)であり彼の役割の大きさがわかるだろう。

あえて弱点を探るとするならばスピード面ぐらいなもので、強さ高さそして足元のうまさと3拍子揃った選手である。