▼変わらぬスタンスを胸に

33試合を終えて、17勝10分6敗の勝点61で2位につける町田。首位・松本山雅との勝点差は3で、1試合消化が少ないだけにリーグ制覇は極めて現実的な目標だと言えるだろう。

各ポジションで健全な定位置争いが展開されている現チームは、非常に良い状態にある。見逃せないのが、若手の成長とベテランの奮闘だ。

ここまでチーム2位の8ゴールをゲットしている平戸は、正確なプレースキックでも絶大な存在感を発揮。29節の松本戦では試合終了間際に直接FKを突き刺し、勝利へ導いた。

また、日本体育大から加入した福井、明治大から加入した土居といったルーキーがシーズン途中から定位置を掴み、チームに勢いをもたらした。若手を抜擢し、成功体験を積ませることで能力を引き出している相馬直樹監督の手腕は称賛されて然るべきだ。

そして、チームトップの9得点を挙げ、サイド起用にも難なく対応する中島、守備の要として最終ラインを統率する深津、29節の松本戦で負傷離脱したキャプテン・井上裕大の穴をそつなく埋めた土岐田、福井が出場停止だった32節の水戸戦で安定感を見せた髙原らベテランたちが貫録を示している。頼れる彼らの奮闘は大変心強く、チームが大崩れしない要因となっているのだ。

惜しむらくは、J1クラブライセンスを所有しておらず、たとえ優勝したとしても昇格できない点だ。

とはいえ、昇格できないことがモチベーションの低下を招いていることは一切なく、目の前の試合に集中し、全力を出し切る姿勢に変わりはない。優勝争いに絡んでいる今季の戦いぶりは必ず来季以降にもつながるはずで、クラブの貴重な財産にもなるだろう。どんな困難に直面しても、「試合から試合へ」というスタンスを貫く町田は今後もブレずに戦い抜くに違いない。

2018/09/24 written by ロッシ

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