20位・岐阜/“古橋ロス”に最後まで苛まれ……
徹底的にパスをつなぐポゼッションサッカーを軸に、独自路線を歩む岐阜。徐々に戦術の完成度を高めつつあるチームは、エースの古橋亨梧の大爆発(6試合連続ゴール)もあり、最高で7位まで浮上した。
しかし、絶対的な存在へと成長した古橋が8月頭にヴィッセル神戸へ移籍。結論から言えば、チームナンバーワンのシュート精度を誇るエースの流出が最後まで響き、20位フィニッシュの要因となった。
大木武監督は苦しい状況の中で試行錯誤を繰り返し、終盤戦で新たな布陣を導入した。従来のアンカーを置いた4-3-3からトップ下に風間宏矢、右ウイングに田中パウロ淳一、左ウイングに山岸祐也、CFにライアン・デ・フリースを据える4-2-1-3へのマイナーチェンジである。
従来の4-3-3ではアンカーの脇のスペースを使われたり、カウンターに対する備えが十分でなかったりするなど、守備に課題があった。ダブルボランチを採用することでカウンター対策を施し、加えてトップ下の風間がより自由にタクトを振れるようになり、デ・フリースをサポートできるようになった。
そして、ラスト7試合で3得点を奪ったデ・フリースには、来季の本格的な覚醒に期待したい。冷静なフィニッシュワークは古橋に通ずるものがあり、コンスタントにネットを揺らすことは可能だろう。
他にも田中&山岸の両ウイング、薮内健人、村田透馬ら期待の中堅・若手が成長し、結果を残せるようになれば、得点力向上は十分見込める。守護神・ビクトルを中心とした守備には改善が見られるだけに、攻撃陣の奮起が上位進出のカギを握るだろう。
2018/11/25 written by ロッシ