お金だけではないそれぞれの価値
カタールと言えばお金。さすがに、中島翔哉に3500万ユーロ(およそ45億円)を投じるクラブは欧州に存在しないと言っても、失礼にはならないはずだ。
一旦価値が上がってしまうとなかなか選手は移籍できないもので、クラブも安い価格で手放したくはないし、代理人もクライアントの価値を下げることを好まない。
中東では選手の契約問題もよく問題になり、パスポートを没収されて国外に出られなくなったり、給与が支払われなくなったケースもある。簡単にカタールを離れることは出来ないだろう。
ただ、クラブワールドカップでプレーしたカイオが欧州からも注目を集めたことを考えれば、中東のリーグが全く無視されているわけでもない。欧州の中堅でそこそこのプレーをするよりは、カタールの強豪にいたほうが目を引く可能性すらある。
そして決して欧州でプレーをすることこそ最も幸せだというわけでもないのだ。その国で英雄になることも重要であるし、カタールリーグはレベルも低くはない。
中島翔哉の個人的な目標が欧州ビッグクラブでプレーすることであるとしても、それが達成されることが幸せになるかどうかはわからない。日本代表のためになるかどうかもわからない。宇佐美貴史のようになる可能性もあるのだ。
むしろイラクの名FWユーニス・マフムードのように、カタールでプレーしつつ代表で大きな結果を残すことで日本の英雄になれるかもしれない。