ケヴィン=プリンス・ボアテング
人種差別の話題になるとアメリカが常に注目されるが、ヨーロッパにもある。
街に出ると、周囲の人間がどう行動するかが分かる。俺のことを見た人は別の歩道に移る。
車に乗っていると、『タトゥーをした黒人がなんでこんな車に乗れるんだ?売人かラッパーに違いない』と思われる。
その理由は人種差別が社会に深く根付いているから。体系的なものだ。
このシステムの上位にいる白人はそれを変えたがらない。
俺がこの文を書いた理由はたくさんある。俺は怒っている。ジョージ・フロイドの動画を見て泣いた。
起きたことを完全に理解するために5回も映像を見なくてはいけなかった。
『息ができない』という声を聞くのはあまりにも辛い。
いまだに自分が感情的になっているのは、彼のなかに自分を見たからだ。
自分の子供を見て、こう思う。『息子にこれをどう説明できる?あの人は肌の色のせいで死んだとどう説明できる?』と。
フロイドの娘が『パパが世界を変えた』と言うのを見た。そのメッセージが大好きだ。彼女は正しいかもしれないと信じている。
この抗議はターニングポイントになりえる。より多くの人達が黒人の本音を理解し始めている。彼らは俺たちが戦争のためにここにいるわけじゃないことを理解している。
そうじゃない。俺たちが欲しいのは、他の人間たちに約束されているものだ。
いつか兄が送ってくれたベルリンでの写真が大好きだ。メキシコ人、アラブ人、トルコ人、黒人、白人、街にいるみんながサポートのために拳を突き合わせているものさ。
同じことが世界中で起きている。ただ、心配なことがひとつだけある」
「人種差別を廃絶できるのは白人だけ。一緒に立ち上がってくれ」ボアテングの壮絶人生
Text by 井上大輔(編集部)
神奈川県出身。もともとは野球小僧だったが、1998年W杯をきっかけにサッカーにも熱中。ウイイレなどのサッカーゲームにも、ドはまりした。好きなリーグはよく見ていたリーガ・エスパニョーラ。
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