「惜しい」の始まり

バラックの「惜しい」キャリアの始まりは、2000年にまで遡る。

1997-98シーズン、名将オットー・レーハーゲル率いるカイザースラウテルンがブンデスリーガ制覇という快挙を成し遂げた。

若くしてこの快挙に貢献したバラックはその後、リーグ制覇の経験こそないものの上位争いの常連となっていたレヴァークーゼンに移籍する。

すると1999-00シーズン、最大のチャンスが巡ってきた。レヴァークーゼンは最終節、SpVggウンターハヒンクに引き分けるだけで悲願のリーグ初優勝が決まる状況を迎えたのである。

誰もがレヴァークーゼンの初優勝を疑わなかった。しかしながら「惜しい」男は、「惜しい」キャリアの扉を自ら開いてしまう…!

OMG…。

前半20分、相手の右サイドから供給されたクロスをバラックは自軍のゴールを決めてしまったのだ。

対戦相手のウンターハヒンクは昇格と降格を繰り返す典型的なエレベータークラブ。このシーズンも昇格したばかりであり、客観的にみれば間違いなく格下といえる存在であった。

しかしながらバラックのこのオウンゴールで先制を許すと、よもや0-2での敗戦。他会場で勝利したバイエルンに逆転を許し、初優勝を逃してしまったのである。