代表でも惜しい

レヴァークーゼンが“準三冠”に終わった前述の話は、サッカーファンには有名だろう。

しかしバラックには続きがあった。シーズン終了後、ドイツ代表として出場した2002年日韓ワールドカップだ。

ドイツは絶対的な司令塔へと成長したバラック、闘将オリヴァー・カーン、若きFWミロスラフ・クローゼなどの活躍で白星を重ね、ついに決勝の舞台へと駒を進める。

…が、ブラジル代表との決勝のピッチにバラックの姿はなかった。

彼は準決勝の韓国戦でイエローカードを受けてしまい、累積により出場停止となっていたのである。

韓国戦の75分に決勝ゴールを決めたバラック。しかしその直前の71分、味方のピンチを防ごうと相手のプレーを止めた際、痛恨の警告を受けてしまったのであった。

チームの勝利を優先したバラックらしいプレーではあったが、それによりサッカー界で最高の晴れ舞台に立つことさえ許されなかったのである。

結局バラックを欠いたドイツは、ブラジルの怪物ロナウドに2発を喰らい準優勝となっている。