「全ての要素が全ての選手に当てはまるわけではないが、経済面などいくつか共通するものがある。
私の説明はプレミアリーグの選手たちは一生身を立てられると思っている人達を少し驚かせるかもしれない。
最初の違いは単純明快だ。身体能力の低下さ。
サッカー選手として、毎日体がドーパミンとエンドルフィンを放出している。この2つは幸福な状態にあるために素晴らしい仕事をする。
エンドルフィンはエネルギーを与え続ける。ドーパミンは幸福な陶酔感をもたらしてくれる、ゴールを決めたり、ファンたちが名前を歌ってくれたりする時にね。
週に3回ジムに行ったとしても、そのドーパミンを補うことはできない。それがないとダルさとのろさを感じたままになる。
現役時代にはピッチ外でのおそろしい出来事もある。自分はスパーズ時代に父を亡くした。
予想していた通り、おそろしいことだった。だが、無情に聞こえるかもしれないが、ビッグマッチが間近に迫っていて、多くのファンたちが自分を頼りにしている時はそれを脇にどけておける。
自分は父が亡くなった2日後に練習に戻った。ちゃんと悲しくなったのは引退した後のことだった。そういうことは心理的な影響を遅らせる可能性がある。
引退はセーフティネットと社会的地位をも奪う。
リヴァプールやスパーズ、代表選手になれば、助けてくれる大勢の人がいる。
家族の具合が悪いなら、クラブがドクターを派遣してくれる。コンサートのチケットが欲しければ、代理人が用意してくれる。
引退した時、一般の大人よりも日常生活への準備ができていないことになる。甘やかされてぬるま湯に浸かった生活をしてきたからね。
サッカー選手はスケジュールが組まれている。練習時間、試合の時間、着る物、食べる物。
(引退後に)朝突然起きて、モチベーションになるものでスケジュールを満たすのは大変だ。
サッカーを2度とプレーせずに他の問題に対処しなければいけないことに完全に落ち込んでしまった。そして、充実感を探した自分は間違ったやり方に逃げた」
引退後に金なし、うつ病、ドラッグ、離婚…元リヴァプール選手の激白が重い
Text by 井上大輔(編集部)
神奈川県出身。もともとは野球小僧だったが、1998年W杯をきっかけにサッカーにも熱中。ウイイレなどのサッカーゲームにも、ドはまりした。好きなリーグはよく見ていたリーガ・エスパニョーラ。
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