サッカー界でゲイであることを公表している関係者はそれほど多くない。
英国で審判として活動しているジェームズ・アドコック氏はカミングアウトした人物のひとりだ。
37歳の彼は2013年に審判員交流研修プログラムで来日し、J2とナビスコカップ(現ルヴァンカップ)で笛を吹いた経験も持つ。
『BBC』によれば、同じく審判だったという父を追ってサッカー界入りしたというアドコック氏は27歳の時にカミングアウトしたそう。
ジェームズ・アドコック
「(体育教師との掛け持ちから)フルタイムの審判になった時、ゲイであることを知っている人と知らない人がいました。
今では同僚全員が知っていますし、当たり前になっています。
同僚から『ジェームズ、スポーツ界でゲイであることをオープンにできている君を誇りに思うよ』と言われることもあります、彼らはいまだに障壁が存在することを知っているので。
彼らは全面的にサポートしてくれています。異性愛者だと思っていた私がゲイだと分かっても、接し方や話し方は変わりませんでした。
『私はジェームズ・アドコック、ゲイです』というTシャツを着る必要はありません。みんな知っていて、それを受け入れてくれています。
同性愛を嫌悪する侮辱を浴びせられたことはありませんし、闘ったり、乗り越えなければいけなかった話もないんです。
多くのレフェリーは、スポーツ界における自分たちの地位発展に影響するため、カミングアウトできないと考えるでしょう。
でも、セクシュアリティで判断されることはありません。自分に自信を持ち、全ての同僚からサポートを受けられれば、影響を受けることはありません。
カミングアウトするにしても、しないにしても、審判としてではなく、ひとりの人間として選択する必要があります。
他人と同じように扱ってほしいです。サポーター、選手、監督には、パフォーマンスで私を判断してほしいです。
それが私の判断基準でもあります。私はゲイだからレフェリーをしているのではなく、サッカーの試合をレフェリングしているので、普通の人間として扱ってほしいです。
家族、友人、サッカー界の仲間たちはとても協力的です。
私がゲイであり、スポーツにかかわり、フットボールリーグでレフェリーをしていることは問題ではありませんから」