「ポゼッション&ハイプレス」がトレンドに

2021年シーズンのJ1を振り返ると、「ポゼッション&ハイプレス」が戦術のトレンドだった。

優勝した川崎フロンターレ、2位の横浜F・マリノス(以下横浜FM)は、完成度の高いポゼッションスタイルでリーグを牽引している。

前者はアンカーを置いた4-3-3をベースに、流れるようなパスワークとボールロスト後のハイプレスで圧倒。後者はトップ下を置いた4-2-1-3を軸に、縦に速い攻撃も織り交ぜて相手守備網を突破する。

そして、3位のヴィッセル神戸は、アンドレス・イニエスタ&セルジ・サンペールの“元バルサコンビ”を中心としたポゼッションスタイルを構築中。

この上位3クラブに加えて、序盤戦の低迷から巻き返した鹿島アントラーズ(4位)、やや低めに設定したコンパクトな守備ブロックからの堅守が光った名古屋グランパス(5位)、リカルド・ロドリゲス監督のもとスタイル定着に向け前進中の浦和レッズ(6位)、伝統のハードワークが根付くサガン鳥栖(7位)の4クラブも最終ラインからのビルドアップを基調としたポゼッションスタイルで上位争いを展開しており、1~7位のクラブが基本戦術を同じとしていた。