J2から指揮官を招聘する新トレンドが誕生?

その意味で、就任1年目で天皇杯を制覇したリカルド・ロドリゲス監督率いる浦和が上記2クラブに続けるか注目だ。

ロドリゲスは2020年シーズンに徳島ヴォルティスをJ2優勝&J1昇格へ導き、昨季より浦和の指揮官に就任。徳島時代から定評のあった指導力で「ポゼッション&ハイプレス」を徹底させ、徐々にコンセプトを浸透させていく。

スタイルの定着に加えて天皇杯制覇という結果も出して、変革の1年目を終えたのだった。連係が深まるであろう2年目はどのような進化を遂げるだろうか。

J2での実績、そして「ポゼッション&ハイプレス」が基本コンセプトという共通点を持つのが、2022年シーズンからFC東京を率いるアルベル・プッチ・オルトネダ監督だ。

アルベルは2シーズン(2020~2021)に渡ってアルビレックス新潟で指揮を執り、4-2-3-1を基本システムに据え、最終ラインからのビルドアップをベースとしたパスワークと前線からのプレッシング&コンパクトな守備ブロックで能動的に戦うスタイルを標榜。新潟をJ1昇格へ導くことはできなかったものの、その手腕は高く評価されていた。

このように、J2で実績を残した指揮官が、J1クラブに引き抜かれるという事例が少しずつ増えてきている。新シーズンをJ1で戦うジュビロ磐田もヴァンフォーレ甲府を率いた伊藤彰氏を新監督に迎え入れているが、この流れが今後加速していくか注視したいところだ。