最大の補強となったゼ・リカルド監督

そんな清水は中盤戦に入って主力の怪我も重なり、遂に最下位にも転落。2015年以来のJ2降格最大の危機を迎えた。第16節終了後には成績不振で平岡宏章前監督が解任となった。

  • 平岡体制 16試合2勝7分7敗、15得点24失点、勝点13
  • ゼ・リカルド体制 9試合4勝2分3敗、18得点14失点、勝点14

ただし、6月から指揮を執っているゼ・リカルド監督の就任こそがターニングポイントだ。上記のように、就任後のわずか9試合で平岡体制下での勝点を越え、1試合平均で1点を下回っていた得点が倍増(0.94→2.00)しているのだ。

現在51歳のゼ・リカルド監督は、フラメンゴやボタフォゴ、インテルナシオナルなど母国ブラジルの名門クラブの監督を歴任。今年6月初旬までは自身2度目の指揮となった古豪ヴァスコ・ダ・ガマを率いていた。

1つのクラブでの在任期間が短いこともあって、「監督の資質があるか疑わしい」と批判する日本のメディアもあった。しかし、ブラジル最高のコンペティションであるカンピオナート・ブラジレイロ・セリエA(ブラジル全国選手権1部)では、「3連敗すれば解任」が当たり前。最長政権となる監督でも2年が関の山。3年目に突入する指揮官は皆無の世界だ。