明本と同様に日本代表入りを期待したいのが、ボランチの伊藤敦樹だ。地元の埼玉県さいたま市出身で、浦和の下部組織で育成された伊藤は、流通経済大在学中の2020シーズンから特別指定選手として所属。翌2021シーズンに正式に入団すると、プロ1年目から主力でプレーしてきた。

豊富な運動量で攻守にフル稼働する現代型ボランチの伊藤は、コンビを組む岩尾憲との相性がバッチリだ。岩尾が後方でバランスを取る役割を得意とするのに対し、伊藤はボールホルダーへの激しい寄せに加えて大胆な攻め上がりも光る。

第4節のヴィッセル神戸戦では豪快な左足シュートを沈めて、首位チーム撃破に貢献。プロ3年目を迎えた背番号3の更なる飛躍が楽しみである。

“浦和の将軍”への依存軽減がキーに

4月30日および5月6日にサウジアラビアのアル・ヒラルとのアジア・チャンピオンズリーグ(以下ACL)決勝に臨む浦和レッズ。ファイナルの舞台でアル・ヒラルと戦うのは3大会ぶり3度目となり、過去2回は1勝1敗(いずれも2戦合計の結果)の戦績だ。

2017年および2019年の決勝を振り返ると、アウェイでの第1戦が大きな意味を持つ。10年ぶり2度目となるアジア王者に輝いた2017年は1-1のドローで乗り切り、ホームでの勝利(1-0)で優勝を決めた。一方の2019年は0-1で敗れると、ホームでも敗北(0-2)を喫し準優勝に終わっている。

当然ながら、再現したいのは2017年と同様の展開だ。アウェイでの第1戦を引き分け(理想は勝利)で終え、大観衆で埋まることが予想されるホームで勝ち切る。総じて守備陣の頑張りが歓喜の瞬間につながるはずだ。