ブラジル代表
サッカー界の4人組といえば、「黄金のカルテット」と呼ばれた彼らをおいて他にいない。
ジーコ、ソクラテス、トニーニョ・セレーゾ、ファルカン。
主将のソクラテスを除き、ジーコは鹿島の選手・日本代表の監督、トニーニョ・セレーゾは鹿島、ファルカンは日本代表の指揮官を務めており、日本人とも所縁が深い選手たちだ。
そんな彼らが世界を魅了したのは1982年ワールドカップ・スペイン大会である。
名将テレ・サンターナ監督に率いられたチームは、2次リーグでイタリア代表に敗れてベスト8に終わっているが、その魅力的なサッカーによって「ブラジル史上最高のセレソン」の一つとして現代まで語り継がれている。
後にジーコが「4人が一緒にプレーしたのはスペインに入ってから。それまで合わせたことはなかった」と明かしているように、この4人が揃ってピッチに立ったのは後にも先にも同大会での4試合のみである。
意外な気もするが、この短さが今日の伝説に拍車をかけていると言えるのかもしれない。
ブラジルはその後、1994年, 2002年ワールドカップを制覇しているが、どちらも守備的なスタイルで、とりわけ94年は守備的すぎると批判を浴びることが多い。
「もし1982年のチームが優勝していたら、世界のサッカーはより芸術的な方向に進んでいたはずだ。魅せるサッカーに流れていっただろうね」
ジーコが振り返るように、現代における代表戦はより結果が重んじられ、“魅せる”ということはさほど重要視されなくなった。
“黄金のカルテット”はそのあまりに眩しい輝きゆえ、彼らの失敗が世界の代表チームの戦い方そのものまで変えてしまったのである。
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hatena
