プロの舞台で戦いたい
片岡はQolyに以前掲載されたインタビュー記事「【インタビュー】大ケガからの契約満了、名刺を配ったトライアウト、J3八戸MF山田尚幸が逆境を乗り越えて成し遂げた偉業とは」を読んで参考にしたという。
「記事を読ませてもらってました。そういう話を聞いてましたし、それで八戸に入られたと聞いて、僕もやらない選択肢がないと思いました。正直格好いいことではないかもしれないんですけど、それでもサッカーが好きで、サッカーを続けたい…。応援してくれる人もたくさんいた。奈良クラブをアウトになったときも、たくさんの人が温かい言葉を掛けてくださりました。僕は思いつく限りのことは全部やろうと思ってここに来ました」
2021年に開催された同トライアウトに右膝前十字靱帯(じんたい)断裂の大ケガを負った山田が関係者に名刺交換する形でアピールして八戸入団をつかみ取った。この前例に倣って自身も名刺交換でアピールした。
名刺には連絡先以外にプレー動画のQRコードもプリントされており、できることはすべてやろうと考えて動いた。その中で関係者からは温かい声をかけられたという。
「中にはもちろん自分のことを知ってくださっている方や筑波大の関係の方とかもいらっしゃった。すごく温かく…『いや、すごいね』と言ってくださる方もたくさんいました。ネガティブな反応なんて一切なかったです。ポジティブに『わざわざありがとうございます』とか『すごい、素晴らしいね』と言ってくださる方もたくさんいらっしゃいました。それとプレーはまた全然別だとは思うんですけど、ピッチ内で見せられない分、そういういい印象を少しでも与えられたらなと思いました」と振り返った。
契約満了後はヴィッセル神戸アカデミー時代の恩師後藤雄二アカデミーダイレクターからもエールを受けるなど、筑波大で主将を務めた経験がある片岡は人柄の良さや人望がある人物と定評がある。
「できるだけそれはプロでやりたいなと思っています。少しでも上のカテゴリーで、Jリーグでやりたいと思ってます」といるべき場所を目指して奮闘した。
声援を送るファンに向けて片岡は「僕はどんな状況でも今自分に出来ることを常に100%でやって、そのピッチで活躍する姿を、輝く姿をみなさんに届けられるように頑張っていきたいと思いますので、是非次のチームでも応援していただけたら嬉しいです」と意気込んだ。ひた向きに名刺を交換する姿は関係者に届くはず。片岡は吉報を待ち続けている。