「柏のエース」は“ラッキーボーイ”にも?
佐野に続いて出場機会を得るのは、右サイドバック(以下SB)の毎熊晟矢とフォワード(以下FW)の細谷真大だろう。
所属するセレッソ大阪で不動の地位を築く毎熊は、2023シーズンのリーグ戦で31試合に出場。自身初となるベストイレブンに輝くなど、充実のシーズンを過ごした。
昨年9月のトルコ戦でデビューした日本代表では、ここまで4キャップを記録。初招集からすぐさまフィットし、攻守に計算が立つ毎熊を森保監督も高く評価。継続して招集していることが、その証だと言えるだろう。
タイミングの良い攻撃参加が光る毎熊は、誰とコンビを組んでも的確なサポートでアタッカーを輝かせることができる。実力者が集う代表では、どのポジションでも試合ごとに組み合わせが変わりがちだ。そのような状況でも対応力を発揮して、足場を固めつつある。
現状では菅原由勢のバックアップを務めることが濃厚だが、ターンオーバーも含めて少なくないプレータイムを得ると見る。また、昨年10月のカナダ戦で見られたように、一列前の右サイドハーフ(以下SH)で起用するパターンもあるはずだ。
現代表の右SHは、エースの伊東純也が一番手。トップ下と兼務する久保建英と堂安律、1トップと兼務する浅野拓磨らライバルは多いが、SH起用は十分あり得る。
前項の佐野と同じく、毎熊も大舞台は初めてとなる。“場慣れ”の意味でも、一列前のSHで後半途中から起用して、アジアカップの雰囲気を体感させる。つまり、ひとつのミスが失点につながりやすいSBではなく、最初はアタッカーとして起用するのが望ましいと考える。
もちろん、上記の起用法は試合展開に余裕がある場合に限定される。初戦のベトナム戦で複数得点のリードを奪い、毎熊を途中投入するシナリオが理想的だ。
2023シーズンの柏レイソルでリーグ戦14ゴールをマークした細谷にも、可能であれば初戦から出番を与えたい。
パリオリンピック世代のエース候補でもある細谷は、DFライン裏への抜け出し、マーカーとの駆け引き、ボールを呼び込む動き、そしてゴールへの嗅覚が秀逸な点取り屋。実に9番らしいエリア内の仕事人である。
A代表では、2022年7月に開催されたEAFF E-1サッカー選手権の中国戦でデビュー。昨年11月の北中米W杯・アジア2次予選で再び招集されると、ミャンマー戦とシリア戦の両方でプレー。シリア戦でA代表初得点をゲットし、元日のタイ戦ではフル出場を果たした。