12月4日、鹿島アントラーズは岩政大樹監督の退任を発表した。
明治安田生命J1リーグ最終節・横浜FC戦の翌日にリリースされた「お知らせ」は、2024シーズンを新監督と戦うことを意味する。
来季の指揮官(※本稿執筆時点で未定)はここ10年で8人目。特に2020シーズン以降の監督人事は、明確な方向性が定まらない現状を端的に表している。
今季のリーグ戦を5位で終えた鹿島は、ルヴァンカップが準々決勝敗退、天皇杯が3回戦敗退と5シーズン連続で無冠だった。
来シーズンのタイトル獲得に向けて、どのような手を打つべきか。近年の監督交代を振り返りつつ、補強面および戦術面の両方から考えを巡らせた。
ラスト5試合の基本システム
まずは、リーグ戦ラスト5試合の基本システムおよびメンバーを見ていこう。
守護神は今季リーグ戦全試合フル出場を達成した早川友基で、4バックは右から広瀬陸斗(または須貝英大)、植田直通、関川郁万、安西幸輝の4人。
センターバックは昌子源が今季大きく成長した関川をバックアップし、サイドバックは佐野海舟が試合途中から務めつつ、須貝が両サイドに対応した。
ダブルボランチは、抜群のボール奪取力で日本代表にも選ばれた佐野と正確な左足でゲームメイクするディエゴ・ピトゥカのコンビ。両サイドハーフを主戦場とする樋口雄太が、試合途中からボランチに回るのが定番の起用法だった。
流動的な動きで攻撃を彩るサイドハーフは、右がピンポイントのプレースキックで決定機を演出する樋口、左は神出鬼没な位置取りが光る仲間隼斗がファーストチョイス。終盤戦に存在感を示した松村優太は、来季に本格ブレイクの予感が漂う。
2トップは攻守に働く絶対的エース・鈴木優磨を軸に、ハードワークが身上の垣田裕暉、3トップ採用時はウィングにも対応した知念慶、最終節の横浜FC戦で推進力を見せた師岡柊生がポジションを争った。
トップ下および右FWで起用された荒木遼太郎は、残留となれば来季の復活に期待だ。