一方、プレミアリーグではハードスケジュールを戦い抜いており、12月以降の7試合すべてに出場。特に第17節のマンチェスター・ユナイテッド戦から第19節のバーンリー戦まで3試合連続でフル出場するなど、過密日程でフル稼働した。
「鉄人」である遠藤といえども、プレミア1年目ということで心身両面において疲労が蓄積しているはずだ。よって、グループステージでは佐野を優先的に起用し、ノックアウトステージに向けて遠藤をできるだけ休ませたい。
また、現在23歳の佐野の成長は、今後の日本サッカー界にとっても大きな意味を持つ。
圧巻のボール奪取と的確なつなぎのパスで貢献する遠藤と同じタイプの選手は、やはり希少価値が高い。今年2月に31歳となる遠藤の充実ぶりは頼もしい限りだが、将来を見据えると後継者探しは急務である。
2023シーズンの明治安田生命J1リーグでインパクトを残したとはいえ、日本代表における佐野の立ち位置は「ルーキー」である。独特の緊張感があるアジアカップでプレー経験を積むことで、代表定着への大きな一歩としたい。
元日のタイ戦では、<4-2-3-1>のダブルボランチの一角として出場し、持ち味とする推進力を披露した。攻撃時に<4-3-3>へと変化するチーム戦術にも適応しており、前につけるパスにも光るものを見せている。
グループステージで佐野を優先的に起用することで、遠藤に休息を与えつつ、初の大舞台に臨む佐野の経験値アップおよび連係向上につなげる。文字通り一石二鳥の起用法で“ポスト遠藤”と目される背番号26を成長させることができるか。
選手の入れ替えを躊躇なく行う森保一監督の采配にも、期待を寄せたいところだ。