今回のアジアカップについて
――ベトナム代表と日本代表が対戦します。三浦さん視点で日本にとって危険な選手を教えてください。
韓国人監督のときに、グエン・クアン・ハイで勝っていたんですね。いい守備と彼のフリーキックやカウンターシュートで勝っていた。力関係からいえばがっぷり四つに組んだらベトナムはちょっと厳しい。日本に攻めあぐねさせ、少ないチャンスを狙うことがセオリーな気がします。
――よくこういった取材をすると、日本はアジアのトップランナーと各国が警戒していると耳にします。
日本は世界的なレベルにかなり近づいていますよね。この前のワールドカップでもそうだし、今回も選手層が厚いし、選手はヨーロッパでプレーしている。飛び抜けましたね。そこで日本から勝ち点を取れそうなところといったら、韓国やオーストラリアや2、3チームがギリギリあるかという感じですね。
――AFC U-23選手権2016予選のときに三浦さん率いるベトナムが日本と対戦しましたけど、試合をしていかがでしたか。
あのときは結果的に中島(翔哉)に43分と93分で2点取られたんですね。「もう1-0でいいよ、終われ終われー」と思ったらインジュアリータイム(=アディショナルタイム)でやられて、「いらねー2(失)点目」と思いながらだったんですけどね(苦笑)。それこそ南野(拓実)や、アメリカでプレーしている久保(裕也)、植田(直通)らが出ていましたね。(ベトナムに)攻めあぐねていた印象があります。鈴木武蔵が途中から出てきて、「ベトナム人には分が悪い選手だな」と思った記憶があります。その次の試合でチャイニーズ台北(大会ではその表記)に7-0で勝ち、初めてオリンピック最終予選に出ることができました。
――なぜですか。
彼(鈴木武蔵)はフィジカルでゴリ押ししてくるタイプに感じたので、ベトナム人が嫌がるタイプでしたね。
――ベトナムのフィリップ・トルシエ監督は日本代表も指揮していました。トルシエさんはどのようなサッカーを展開してくるでしょうか。
日本のときの印象でいうと、あの当時のワールドカップは格上が多かった。守備をまずしっかり特化した形、当時流行った言葉で「フラットスリー」とかそういうことをやるのかなという気がしますけど。
――手堅く固めて反撃のチャンスを狙うカウンターを展開しそうですね。
なるというかならざるを得ないですね。対戦相手によってもやり方を変えるでしょう。例えば(ベトナムの相手が)インドネシアだったら五分五分の戦いでしょうから、またそこは違ったストラテジー(戦略)になってくると思います。日本はどうしても押し込まれる…。この前のタイ代表(の試合)のような形になるので、そこをどう耐えられるかというところだと思います。
――ベトナム戦の結果予想を教えてください。
予想は難しいですけど、ただここの予選突破は上位2チームに入ればいいんでしたっけ(3位でも突破の可能性あり)。なので(3位も含めて)そこを狙うんですよ。だから日本に勝つというシナリオは立てていないと思います。それはちょっと非現実的です。
僕もオリンピック予選で決勝トーナメントというか、最終予選に出るために日本と同じグループでしたけど、「日本に勝つ」という計画は立てていないです。要は0-5、0-6で負けると大会が終わってしまうので、日本に負けるなら0-1、多くても0-2、それで他(の国)に勝つ。次に進出することが彼らのシナリオのはずなので。
日本戦は0-1で負けてもまったく問題ないと思います。まずはインドネシアに勝つこと。イラクと例えば引き分けとか、そのぐらいを多分やってくるんだろうと思います。
――アジアカップでのベトナム代表への期待を教えてください。
彼らは国際経験、アジアでの経験がすごく豊富です。自分たちの力は発揮できると思います。目標は多分ベスト8あたりになっていると思いますけど、そこは十分可能だと思います。そこはちょっと期待しています。ただ何人かケガで抜けたんですよね。