昨シーズン限りで現役を引退した元日本代表長谷部誠。
40歳になった彼は、10年プレーしたフランクフルトで指導者としての道を歩み始める。
そうしたなか、地元紙『Frankfurter Rundschau』は、引退した長谷部をあらためて讃える記事を伝えていた。その内容を抜粋してみる。
「フランクフルトの選手たちはプレシーズンのために戻ってくる。まずメディカルチェックを受けて、その後、練習場に出ていくが、あるひとりの選手がいない。
永遠のように、いつもそこにいた選手。それはドイツプロサッカー界の巨匠、長谷部誠だ。
長谷部は監督業を熱望している。長年のチームメイトだったセバスティアン・ローデは『彼が練習後にノートをつけているのをよく見た』と語っている。
長谷部はフランクフルトの生ける伝説であり、常にこのスポーツとアイントラハトのためにすべてを捧げ、鉄の規律を体現してきた。そんな彼は膝に深刻なダメージを負っていた。片方の関節には深刻な軟骨損傷があるが、決して表には出さなかった。
長谷部は母国である日本では聖人のように崇められている。ローデはフランクフルトのアジアツアーで日本を訪れた際、長谷部が同僚たちを東京で案内しようとしていたことを覚えている。
『長谷部は完全な変装をしていたけれど気付かれた。嬉し泣きする人もいた。その時、彼が日本ではレジェンドであることを実感したんだ。
彼はここフランクフルトではそのステータスを誇示することは決してなかった。自分がスターだと誇示することは絶対にしなかった。でも、彼は日本ではスターではなく、スーパースターなんだ』。
彼はフランクフルトで生涯の仕事を終えた人物、アイコンだ」
長谷部はフランクフルトで304試合に出場。ヴォルフスブルクでも159試合、ニュルンベルクでも14試合に出場しており、ブンデスリーガで史上2番目に出場数の多い外国人選手にもなった(ロベルト・レヴァンドフスキと同率)。
ドイツでも正真正銘のレジェンドとして扱われているようだ。