早慶戦の決着はリーグ戦で

今季3度目となった宿命の対決で勝利をもぎ取れなかった。初戦となった4月28日に開催された関東大学2部第3節では、慶應義塾大が4-1で早稲田大を一蹴するも、先月25日に東京・国立競技場で開催された定期戦では0-4と大敗した。それだけにこの一戦は是が非でも勝利を手にしたかった。

山口主将は「この前の定期戦も負けて、自分たちとしてもその悔しさを晴らすチャンスとして、前半の入りから『アグレッシブに行こう』と話をしていました。

うまく立ち上がりで先制できたんですけど、後の試合運びとしてこのピッチ状況で少しのテクニックの差や、試合運びの持っていき方が早稲田さんの方が1枚上手という印象でした。そのまま地力の差が1-2という結果に出たと思います」とほぞを噛んだ。

身体を投げ出して空中戦を制したDF山口主将

華麗な攻撃を見せた慶應義塾大だったが、キャプテンを筆頭に守備では身体を投げ出す泥臭い守備で早稲田大に対抗した。東京の私学の雄である両校の一戦は理屈を超越したプライドと意地がぶつかり合う死闘の様相を見せた。

「全国大会だからどうという話じゃないですけど、自分たちにとって早慶戦はいつでも特別で、いついかなるときでも早稲田に負けない気持ちでやっています」と山口主将。決戦に挑んだ慶應イレブンは決着が着くと燃え尽きるように崩れ落ちた。

日本一を目指していたイレブンにとって、宿敵に負けて大会を去った事実は屈辱でしかない。現在関東大学2部で1部昇格圏内の2位と好位置につけており、悲願の4季ぶりの1部復帰が見えてきた。

2021年シーズンに2部降格をしてから翌シーズンに3部降格を経験するなど、多くの苦汁を舐めてきた。ただ悔しい思いを重ねれば、重ねるほどイレブンは強く成長して這い上がってきた。

この日早稲田大に敗れはしたが、来月27日午後2時に慶應義塾大下田グラウンドで開催される関東大学2部第19節で再び宿敵早稲田と相まみえる。今季4度目の早慶戦で負け越すわけにはいかない。

山口主将は「2部優勝を目指しシーズンインからやってきて、いま2位と自力で目標を狙える立場に自分たちは付けています。今回の全国大会、前回の定期戦も含めて、敗戦をしっかり受け止めて練習して次の関東リーグの早慶戦も含めて結果を残せるように、前を向いてやっていきたいです」と2部優勝と宿敵へのリベンジを誓った。

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決戦に敗れても前を向く慶應イレブン。これまで不死鳥のごとく復活を果たして大学サッカーを盛り上げてきた。来月に開催される決戦で白星を挙げて、悲願の4季ぶり1復帰と2部優勝を果たしてみせる。

(取材・撮影 高橋アオ)

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