9日、ツエーゲン金沢はFW豊田陽平の現役引退を発表した。
豊田は石川県小松市出身の39歳。地元・星稜高校から2004年に名古屋グランパスエイト入り。その後、京都や山形、蔚山現代などでプレーした。特にサガン鳥栖には2010年のJ2時代から10シーズンにわたりプレー。J1にチームを押し上げエースストライカーとしてJ1通算で301試合出場98ゴールをあげている。
まあ、日本代表にも8試合に出場。185cmの高さを生かしたパワフルなプレーで長年Jリーグを代表するストライカーとして活躍した。
公式サイトでの引退を報じた内容
金沢は公式サイトで
「この度、豊田陽平は2024シーズンをもちまして引退いたします。
3年前、念願であった地元クラブに加入させていただき36歳のいい大人が心弾み大好きな石川県に恩返しを。と意気込んだこと、昨日のことのように覚えています。
現在でもその気持ちに変わりはありません。
それはどんなに雨が降ろうと雪で寒かろうと、試合に出れなくとも、この地で生まれ、育った石川県人として ふるさと石川 を愛しているからにほかなりません。
そんな故郷のクラブで選手生活を終えられること、とても有り難く感じております。それもツエーゲン金沢が誕生からこれまで、沢山の方々が紡ぎ繋いでこられた歴史があるからであり、この地にプロサッカークラブを!とご尽力された先人の方々のおかげであります。
この場をお借りして感謝を伝えさせてください。ありがとうございました」
と小松市出身らしい、ふるさと愛を強調。
「また、この3年間大した成果もあげていないにも関わらず、期待し応援していただいたファン、サポーターの皆さま、ご支援ご協力いただいた企業、自治体、関係者の皆さま、大変お世話になりました。
心からの感謝をお伝えします。
本当にありがとうございました。
今後につきましては、サガン鳥栖で新たなチャレンジをすることを決断いたしました。
詳細につきましては、後日ご報告させていただきます。
改めて人生の一部となっていただけたツエーゲン金沢さまに感謝申し上げます。
ありがとうございました。
2025 1.9 豊田陽平」
一方で昨季は2試合0ゴールに終わった結果などから力になれなかった謝罪と、今後の身の振り方を発表した。
豊田陽平がQolyの独自インタビューで述べた内容
豊田は2023年夏のQolyのインタビューでは、ツエーゲン金沢の未来について新スタジアム建設と人口45万人という規模を評価
「本当にノビシロしかないと思いますし、もっともっとポテンシャルがある地域だと思っています。
うまく差を言い表すなら、鳥栖は7万人の街でJ1クラブまで上り詰めて、今もなお人気を博しているクラブと地域です、金沢は現在45万人がいる規模の地方クラブですが、まだまだその熱がスポーツ文化に行き届いていないという現状があります。
ツエーゲン金沢自体の認知はされているのですが、何を仕掛けるか。『いつ、どのタイミングで』というところで、新スタジアムが一ついいきっかけになるだろうなとは感じています。」
と述べていた。
ストライカー必見!豊田陽平が「サッカー界がやっているシュート練習はあまり意味がない」と語るワケ
「地方クラブの良いところ悪いところを感じた時に、ビッグクラブや都市のクラブとまったく同じことをする必要はないと思っています。独自性があることが重要でその地域に根ざして愛されるクラブを作ればいいのかなと。
それが破天荒なのか、「そういうのやるよね」ということなのか。でも何かそこに独自のスペシャルなものが常に付加価値として付いて回るようなクラブになればいいと思っています。僕の勝手な持論ですけど。
今から金沢が東京に変われるわけではないですし、大阪に変われるわけでもありません。地域も天候も違えば人の育ってきた場所や文化、食文化などもそうですし、違うわけです。
金沢や石川県全体で自分たちの良さを再確認するのがツエーゲン金沢、あるいはその他のスポーツであればいいのかなと思っています。」
そして、ツエーゲン金沢は「金沢らしい」独自性を貫くべきだと持論を述べた。
ツエーゲン金沢の広報はJリーグでも屈指の独自性・企画性があり、過去にQolyではツエーゲン広報の特集インタビューを行ったほど。
豊田は今後金沢を離れ鳥栖へ戻るが、金沢らしい取り組みを貫くことが、豊田がツエーゲン金沢に残した遺産になるのかもしれない。