その1」に続き、「第44回東京モーターショー2015」で、Jリーグクラブの各スポンサー企業ブースをうかがったレポートをお届けします。

知らないものを見せようとして

私が次に質問したのは、「Jリーグクラブのスポンサーになった事で、どんな利点があったか」でした。同じ事を自動車メーカーや家電メーカーに聞いても、普段から一般消費者に向けた宣伝を続けているので、Jリーグクラブに絞った形で聞いてもクリアな回答はなかなか返ってこなかったのですが、部品メーカーでもそれはほぼ同じでした。

ただ、逆に自分達の製品を知ってもらうきっかけに考えている例は、いくつかありました。その一つは「豊田自動織機株式会社」です。創業は1926年、1937年に同社自動車部の分離独立で生まれたトヨタ自動車の元来の親会社で、現在は同グループ内で「源流企業」と呼ばれています。

≪豊田自動織機のブース。ハイブリッド車「プリウス」には同社の電子機器が搭載される≫

社名の通り、同社は現在でも繊維工場で使うこの機械を作っていますが、売上比率は全体の3%台。残りは50%がトヨタ車「ヴィッツ」の生産やエアコン用コンプレッサーなどの自動車関連、そして40%がフォークリフト生産や保管・輸送システムなどの産業車両関連となっています。

名古屋グランパスエイトの発足当時から同社はトヨタグループの一員としてスポンサーとなりました。2002年から断続的、そして2015年にも同社はグランパスのユニフォームスポンサーとなっていますが、それには社名ではなく、産業車両ブランドの「TOYOTA L&F」を使っています。豊田自動織機は知っていても、それがL&Fとはつながらない人が多いので、ぜひそれを広めようというのが、同社の狙いでした。

・株式会社豊田自動織機 公式サイト
http://www.toyota-shokki.co.jp/index.html

・同サイト内:第44回東京モーターショー2015
http://www.toyota-shokki.co.jp/product/news/2015/44th_motorshow/

≪占有率41%で世界トップシェアを持つコンプレッサー技術を紹介≫

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