直近のリーグ戦5試合で4ゴールと好調な背番号40は、豊富な運動量も特長のひとつ。

筆者が考える理想の動きは、トップ下を主戦場としつつ、ビルドアップ時にはボランチまたはCBの近くまで降りて数的優位を作り、前線にボールが渡った際は相手ゴール前にポジションを上げて、フィニッシュにも絡む。運動量が求められる役割だが、そこは金子の馬力でカバーする。システムではなく、ヒトで解決する方法だ。

一方、システムで解決を図る形がプランBだ。具体的には、現行の4-2-3-1から3バックにシフトする。

町田戦で露呈したのは、ビルドアップ時にハイプレスを仕掛ける相手の2トップと自軍のCBが2対2の同数になることで、CBがGKにボールを下げざるを得なくなり、そのワンクッションの隙に相手の陣形がより整ってしまい、ポゼッションでの攻略が難しくなるという点だ。

上記のケースでGKまたはCBがロングボールでの打開を試みても、相手の最終ラインは跳ね返す準備ができている。「GKに下げる」という後ろ向きの動きが、相手の守備に時間と余裕を与えてしまうのである。

つまり、「相手の2トップと自軍のCBが2対2の同数になる」「GKに下げることで相手に守備の余裕を与えてしまう」ことがそもそもの問題となっているため、3バックにして数的優位を作ることで解決を図りたい。4-2-3-1(4-4-2)のミラーゲームを避けて、優位に立つことが狙いだ。

上図は、町田戦のスタメンをそのまま3バックに当てはめたものだ。複数ポジションに対応する鈴木雄斗と松本昌也の存在により、選手交代をすることなく3バックを導入できる。

4-2-3-1で試合をスタートさせ、システムのかみ合わせが悪いと感じれば即座に3-4-2-1へシフトする。このような柔軟な戦い方も可能であり、オプションとして3バックを用意しておくのは悪くないだろう。

ここまで、磐田のハイプレス対策に焦点を当てて考察してきた。とはいえ、現在のチームは特別な策を講じなくとも個の力で打開できてしまう面があり、大きな問題にはならないかもしれない。

【関連記事】城福体制2年目の東京ヴェルディは、なぜ強いのか。躍進の秘密は「指揮官の情熱」にあり。

だが、このまま自動昇格圏をキープまたはプレーオフを勝ち抜き、1年でのJ1復帰を果たせれば、課題は再燃するはずだ。大胆な決断力の持ち主である横内昭展監督がどのような手を打つのか、注視していきたい。

【厳選Qoly】2024年、ヨーロッパで「優勝タイトルを獲得した日本人選手」15名

日本人がケチャドバ!海外日本人選手の最新ゴールはこちら