興味深いことに、ネイマールが少年を抱きかかえた直後、南アフリカのサポーターたちは大きな拍手でそれに応えた。歴史的な大敗を喫しつつも、世界的スターが見せた優しさに心を打たれたのだろう。

ネイマールの行為には、賛否両論あるべきだ。規範的とは言えないかもしれない。しかしそれでも、ネイマールが手を差し出したことで、この少年の行為が美談に変わったことに間違いはないだろう。

そして、この少年の未来だけを考えれば、それは素敵な行為でもあったはずだ。ブラジル代表の選手たちに囲まれ、宙を舞っている。ネイマールと2人で記念撮影を撮る。そんな夢のような体験が、彼の将来にもたらすものは限りなく大きい。

まもなく開幕するW杯で優勝候補の筆頭に挙げられるブラジル代表。彼らの魅力は、個々のクオリティだけではない。その果てしなく陽気で底抜けない明るさこそ、少年少女の心をつかむ一番の要素なのかもしれない。

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