このようなボールを「動かす」というプレーを試合の中でリベリがどう補完したのか。

リベリもサイドでプレーしている選手としてパスコース、ドリブルコースを見つける能力は既に折り紙つきである。この試合リベリはボランチとしてパスを散らし、ラストパスも出す司令塔として機能しながら、自分自身もゴール前に飛び込んでいくボックストゥボックスのようなボランチとしてプレーしていた。

しかし、リベリーがわざわざ偽ウィング(ボランチ)としてプレーせずとも、バイエルンにはボックストゥボックス的な選手はいる。シュバインシュタイガーである。

しかし、ペップは本職の選手を差し置いてリベリをボランチとして振舞わせたのである。確かにシュバインシュタイガーは前節ホッフェンハイム戦で怪我から復帰したばかりで、それが今季初の試合だったが、その試合でも4点目をアシストし、健在ぶりをアピールしている。それでもペップはシュバインシュタイガーをスタメンとして起用するには問題があると感じているのではないだろうか。

確かにゴール前に飛び込んでいくタイミングやラストパスの質など得点に絡む能力は高いが、ビルドアップにおいてのショートパス精度や、判断スピードの速さはラームやリベリには及ばない。また決定的なパスを狙いすぎる一方でアロンソ、ラームに比べると堅実なプレーに欠けミスが目立つきらいがある。

ペップはボランチにそこまでの得点能力を期待していないことはアロンソやラーム、ブスケツを重用してきたことからもうかがえる。あくまでミスが少なくパスを配給でき、攻撃のスイッチを入れられる選手を求めている。

ペップの新たな改革はバイエルン三冠、W杯優勝の立役者を隅に追いやるものかもしれない。


筆者名:平松 凌

プロフィール:プロのフットボールライターを目指して、日々修行中。現在自分が何を書くのを得意としてるのか模索しています。自称国内屈指のバイエルンファンであり、話題に事欠かないチームに感謝してツイッターでは情報配信しています。
ツイッター: @bayernista25

【厳選Qoly】スゴいメンバーだ…長谷部誠がプレーした「最強のチームメイト」ベストイレブン

日本人がケチャドバ!海外日本人選手の最新ゴールはこちら