休憩を挟み、4人目というか4組目として、松木安太郎氏とテレビ朝日の吉野真治アナウンサーが登壇。テレビでお馴染みの絶妙なかけ合いにより、アジアでのサッカー中継の裏側が語られていった。

その中でも「試合に向けたコンディションの作り方が半端ではない」と突っ込まれ、「自分の体調をキープすることが良い仕事に繋がる。強いだけでは優勝できないのがサッカーであり、ファンのサポートに結果で答えるため、我々もベストを尽くす責任がある」と松木氏。

前回のアジアカップ、準決勝の日韓戦では、土壇場で追いつかれて迎えたPK戦、選手とサポーターがそれぞれ肩を組んでいるのを見た吉野アナが、隣に座っていたセルジオ越後氏の手をそっと握る。するとその手は、力強く握り返され、さらにセルジオ氏が横の松木氏の手を握り、松木氏は別の意味でドキドキしたという話など、アジアでの戦いに関する様々なエピソード、そして今大会の展望などが語られた。

そして“トリ”を務めたのが、北朝鮮代表FWの鄭大世(チョン・テセ)。川崎フロンターレからドイツへ渡り、ボーフム、ケルンを経て現在はKリーグの水原三星ブルーウィングスに所属する30歳のストライカーは、自身の生い立ちやプロサッカー選手になるまでの経緯、Jリーグでのプレー、代表選択、2010年のW杯出場などについて振り返った。

いくつかピックアップすると、「日朝戦で感極まり、つい日本国歌で泣いてしまったときは後でチームメイトにツッコミを入れられた」、「仮に日本代表を選んでいても、監督が大学のときに横浜F・マリノスのテストで落とされた岡田武史監督だったため、南アフリカW杯出場は難しかったかもしれない」、「川崎入団前に練習試合でフッキと2トップを組んだ話を海外ではよくネタにしている」などなど。

笑いを交えながら自身のキャリアを語り、最後は「できれば川崎で現役を終えたい」と古巣フロンターレに対する思いを口にして締めくくった。

こうして幕を閉じた「第2回アジアサッカーマネジメントセミナー」。第1回に比べると多彩な講演者が揃い内容的にもよりアクロバティックで、今回もアジアサッカーの未来を考える意味で非常に有意義なセミナーとなった。

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