24日に Qolyで交渉中とのニュース*をお届けしたばかりだが、来シーズン初めてJ1で戦う長野県の松本山雅は25日、アメリカ・ミネイロに所属するブラジル人FWオビナを完全移籍で獲得したことを発表した。

フラメンゴ、パウメイラス、アトレチコ・ミネイロといった名門に在籍し、ブラジル国内でも有数の実績を持つオビナだが、彼は一体どういう選手なのだろうか。

*同記事内ではより現地音に近い「オビーナ」と表記しましたが、これからはクラブが発表した「オビナ」に統一します

セレソン入りも叫ばれた国内有数のFW

経歴は前回の記事でご紹介した通りだが、2004年の全国選手権にて2部へ降格したヴィトーリアで孤軍奮闘の19得点をマークしてブレイク(ちなみにこの年、34ゴールで得点王に輝いたのが元浦和のワシントンである)。翌年にブラジル一の人気を誇る名門フラメンゴへ引き抜かれると、2ページ目で取り上げる“エトーより優れた選手だ"と賞賛され、セレソン入りを推す声も上がるほど全国区の知名度を得た。

以降、好不調の波はあったものの結果としてはコンスタントに残し、2006年に11ゴール、2009年にパウメイラス、2010年にアトレチコ・ミネイロで12ゴール、2011年には中国の山東魯能泰山で10ゴールを記録。今年に入ってブラジルW杯のセレソンのエース、フレッジを輩出したブラジル2部のアメリカ・ミネイロに加入し、全国選手権で13得点を含め1年間で46試合19ゴールの結果を残した。

どんなタイプのストライカー?

では彼はどういったストライカーなのか、といえばタイプとしては非常に分かりやすい選手である。まずは少し古いが「オビーナのトップ5ゴール」と題された動画をご覧頂こう。

続いて、今年のブラジル全国選手権2部で記録したゴール集。

この動画にも特徴が表れているが、はっきり言って技術的にはあまり器用ではなく、チーム全体を生かすようなプレーを期待出来るFWではない。

しかしながら、強靭なフィジカルと並はずれた身体能力を武器に1人でゴールを奪える、Jリーグには珍しいタイプのアフリカ人的なストライカーである。体型を含め全体的な雰囲気はFC岐阜(2015年より札幌)のコロンビア人FWクリスティアン・ナザリトを連想すると分かりやすいが、もう少し機動力のある選手だ。

また、器用ではないと言っても、前ブラジル代表の指揮官でフェリポンことルイス・フェリペ・スコラーリが率いたパウメイラス時代にはやや下がり目に近いポジションでも起用されており、ブラジル人らしい技術を備えているのも確かである。

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