アギーレ選考の噂その1:新戦力を良く試す
メンバーを固定する代表監督としては元ギリシャ代表監督のオットー・レーハーゲルがあげられる。彼はギリシャ代表が最も結果を出していたEURO2004の頃は2年間で30人程度しか選手を呼ばなかった。多少成績が落ちたEURO2008予選~EURO2008でも38選手、2010年ワールドカップ予選~2010年ワールドカップでも同じく38選手で回している。
この数字が少ないことはギリシャ代表監督を引き継いだフェルナンド・サントスを見ればわかる。EURO2012予選~EURO2012で50人以上を呼んでいるからだ。レーハーゲルが代表選手の層の薄さによって選手を呼ばなかったのではないことがわかるだろう。
だいたい2年間での招集人数が45人前後で通常の監督、30人台だと少ない、55人以上だと多い、70人以上はやばいと思っていただければ問題ない。
さて、話を本筋に戻してアギーレである。
2001.07~2002年ワールドカップ:第一次メキシコ政権
約1年での指揮だったが50名以上のメンバーを招集した。2002年のゴールドカップでは若手を中心にメンバーを選定したが、準々決勝でPK戦の末韓国に敗戦した。北中米カリブの雄メキシコとは言えない結果だ。そのせいか、この時のメンバーから本大会メンバー入りを果たしたのはガブリエル・デ・アンダの1名に留まった。大会は結果を残した1998年ワールドカップメンバーから1/3が、決勝まで進出した2011コパ・アメリカのメンバーから半数の12名が選ばれた。
2009.04~2010年ワールドカップ:第二次メキシコ政権
2009年4月に監督就任6月の試合から指揮をとり約1年で57名ほどのメンバーを招集した。1年少しの期間でこの人数はかなりの招集数である。2010年ワールドカップメンバーの約半数にあたる11名は2009年のゴールドカップ優勝メンバーだった。結果を残したメンバーをベースにしたと言えるだろう。事実、ゴールドカップ以降のメキシコ代表はコロンビア戦とワールドカップ直前の調整目的の2試合以外には負けていない。
2014.07~:アギーレJAPAN
アギーレが日本代表に招集したメンバーは全部で41人、初招集のウルグアイ戦メンバーが発表されたのが8月下旬と考えると実質4か月間でこの人数は相当多いと言える。
その中で日本代表に初招集を受けたのが10名、これまで招集経験はあったが試合出場はなかった3名を加えると実質13名の新戦力が加わった格好となる。
DF
坂井達弥 9/5(ウルグアイ戦)、松原健 9/5(ウルグアイ戦)、★塩谷司 10/10(ジャマイカ戦)、★昌子源 10/10(ジャマイカ戦)、★植田直通 本大会より
MF
森岡亮太 9/5(ウルグアイ戦)、田口泰士 10/10(ジャマイカ戦)
FW
皆川佑介 9/5(ウルグアイ戦)、★武藤嘉紀 9/5(ウルグアイ戦)、★小林悠 10/10(ジャマイカ戦)
アギーレが初招集したメンバー一覧※日付は初招集を受けた試合
GK
林彰洋 9/5(ウルグアイ戦)、★東口順昭 11/14(ホンジュラス戦)
MF
★柴崎岳 9/5(ウルグアイ戦)
代表招集経験はあったが試合出場はなく、アギーレが再び招集したメンバー一覧※日付は初招集を受けた試合
★印が本大会メンバーであるが、“アギーレ・チルドレン"が7名本大会入りを果たしている。
半年で40名を越えるメンバーを招集し、過去のメキシコ代表でも1年で50名以上となれば、アギーレは新戦力を良く試す監督と言えるだろう。
では、次に過去にアジアカップを戦ったアルベルト・ザッケローニ、イヴィチャ・オシムの2人と比較してみよう