~ポポヴィッチ監督がもたらした先進的な戦術~

ウェスタンシドニーがなぜ初年度、2年目に成功できたのか? それはトニー・ポポヴィッチ監督が作り上げた先進的な戦術と、それを生かせる選手がいたからである。

1年目も2年目も得点数ではトップではないことからも分かる通り、チーム戦術の鍵は守備力。しかし、その守りを機能させていたのが攻撃面だった。

しっかりと守れるブロックを機能させるためには、押し込まれ続けないための力が必要だ。

それをポゼッションという形で支えていたのが、稀代のパサーである小野伸二とアーロン・ムーイ、そしてサイドアタックを支えたドリブラーのユスフ・ヘルシだ。

(サイドのキーマンとなっていたヘルシ)

一度引いて守ったとしても、ボールを彼らに預ければポゼッションに移行でき、全体が前に上がって布陣を回復できる。そしてパスワークで崩せなくとも、ユスフ・ヘルシが一対一で仕掛け、チャンスを生み出してくれる。

そこに攻撃参加を欠かさないスピードタイプの両サイドバック、アダム・ダパッツォ、ジェローム・ポレンツが加わっていくことで、攻撃に厚みをもたらしていた。

【3ページ目:経営陣の交代とチームの崩壊 に続く】