28日(日本時間29日午前)に行われたチリ対アメリカの親善試合は、3-2でチリが逆転勝利した。

両代表チームにとってこれが今年の初戦。

FIFAのマッチデーではないこともあり、どちらもほぼ国内組で編成されたメンバーとなったが、デンプシー、アルティドール、ブラッドリー、ジョーンズと、国際経験が豊富で現在は国内に戻っている選手を擁したアメリカが優位に進める。

前半6分、最終ラインからのフィードに抜け出した前バーミンガムのブレック・シェイが左足で豪快にネットを揺らし先制。すぐにチリも左サイドからの鋭いクロスをロベルト・グティエレスが頭で合わせて同点とするが、31分、アメリカはディスケルのお膳立てをアルティドールが右足で合わせて勝ち越しに成功。

前半は1-2と敵地に乗り込んだアメリカのリードで折り返す。

しかし、チリは今夏自国で開催されるコパ・アメリカへの出場に闘志を燃やす、“あの男"が復活の狼煙をあげる。

66分、味方との連携で左サイドを深く切り込んだ元CSKAモスクワ、マルク・ゴンサレスが角度のないところから得意の左足で突き刺し同点に。さらに75分、再びマルク・ゴンサレスが味方のシュートのこぼれを落ち着いて合わせ逆転に成功。

試合はそのままチリが3-2で勝利した。

4年半ぶりの復活ゴール

元サッカー選手の父親が南アフリカ・ダーバンでプレーしていた1984年に生まれたマルク・ゴンサレスは現在30歳。

端正な顔立ちと左サイドが本職で快足と強烈な左足を武器にすることから"チリのベッカム"、"チリのロベルト・カルロス"などと形容され、若くして代表に定着したアタッカーだ。

端正な顔立ちから“チリのベッカム"とも呼ばれた

デビューから間もなく欧州へ渡り、スペインやイングランドのリヴァプールなどでプレー。2009年8月から4年半所属したロシアのCSKAモスクワでは現ミランの日本代表MF本田圭佑の同僚となったが、度重なる怪我により自慢のスピードは陰を潜め、次第に出場機会を失う。

代表とも疎遠となり、昨年1月、再起とブラジルW杯出場への望みを託し10年ぶりに国内復帰していた。

結局、W杯出場は叶わなかったが、 この日はトッテナムへ加入したデアンドレ・イェドリンとのマッチアップにも負けず、グティエレスの先制ゴールをアシストするなど、2ゴール1アシストの大活躍。1年ぶりとなる代表戦で2010年6月のW杯・スイス戦以来約4年半ぶりのゴールを決め、ホルヘ・サンパオリ監督に大きくアピールした。

なお、追加招集された “チリのマルディーニ"ことセバスティアン・ベガスに出場機会はなかった。


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