3.ツートップのペアリング

はじめに述べさせていただけば、このグループにおけるベストな最前線はルーニーとラダメル・ファルカオだと私は思っている。

ロビン・ファン・ペルシーは多くの試合に出場し、10得点を上げているが、彼はほとんどの試合において消え続けている。だからこそ、私はファン・ペルシーをスーパーサブとして、5月まで戦えばいいのではと考えた。

少ないタッチ数で(消えた存在でいながらにして)得点を上げられていることは、隠し球としての良い材料と捉えることもできるであろう。フルタイムでの貢献度が低いこと、これは年齢や先のワールドカップの消耗を考慮すれば当然のことでもある(プレミアにはウィンターブレークなどない)。

ならば、必殺の仕事人としての起用を私は考えるのだ。さらに言えば、世界有数のタレントであるロビン・ファン・ペルシーをポイントゲッターとして掌握できる可能性のある、数少ないマネージャーこそ、ルイ・ファン・ハールではないか。

そしてもうひとり、ファルカオについて少し意見させていただきたい。

私は過去、ルーニーとペアを組んだ2人のストライカーを想像した。カルロス・テベスは、確かな技術とサッカーセンス、そして溢れるファイティングスピリットで、攻守に渡り躍動した。近年最高の掘り出し物であり、純粋なストライカーの気質をもったオブ・ザ・ボールの動きと決定力、絶妙な駆け引きの間合いを持っていたのはハビエル・エルナンデスだろう。

ファルカオは、この2人の中間にいるようなイメージのプレーヤーだと私は感じる。どちらかと言えばチチャリート寄りではあるものの、彼の非凡なスキルとセンスは、短い出場時間の中でも際立っている。スタッツを見れば物足りなさは確かにあるものの、ルーニーとこの男がコンビを組み続ければ、必ずやオフェンスにおける問題を解消してくれるだろう。

ルーニーとファルカオのタイプ的な相性の良さ、これは確信に近い感情を持って言える。私はプロではないが、ウェイン・ルーニーを10年以上、ほぼ毎週見てきた。間違いないことだと思う。

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