『NEXTアンリ』と呼ばれていることでも知られている通り、彼についてよく言われるのは豊かなスピードである。

181cmの体格を持ちながらも切れ味、トップスピードを兼ね備え、さらにボール扱いにも高い能力を示す。対面した相手を抜き去っていくプレーを得意としている選手である。

リヨン時代は数試合しか出ていないものの、主にウイングとして起用されており、U-19代表でもそうであった。しかし2013-14シーズンにモナコが4-3-1-2を使用していたこともあって、2トップの一角として起用された(11試合しか出ていないが)。

そして2014-15シーズンの点取り屋としてのブレイクに至るわけであるが、リヨン育ちで、ウイング出身で、4-3-1-2をきっかけにトップに定着……となんともアレクサンドル・ラカゼットに似た巡り合わせである。

ということもあって、ワントップに配置されていたとしても、彼は典型的なセンターフォワードではない。サイドに開いてボールを受けて仕掛ける場面も多く、ターゲットマンとしての働きを期待するべきではないと言えよう。

しかし、ゴールの方向を向いてボールを持てば彼の能力は存分に発揮される。対面する相手を容易に抜き去ることも出来、守備がそれを嫌って間合いを空ければ決定的なパスを送ることも出来る。

まだ十分に決定力が安定しているとは言いがたいところもなくはないが、シュートに持ち込むテクニックも十分だ。狭いところからでも威力あるボールを蹴り、余裕があればトリックショットの選択肢も生まれる。ループが多いのも1つの特徴だ。

マンチェスター・ユナイテッドが不足していると言われているのは、現在ルーニーが使われているワントップの位置であるが、マルシャルは決してイングランドにおけるワントップの典型例に合致するタイプではない。ましてや彼にサイドからクロスを合わせても点を取れるわけではない。それはハイライトを見れば一目瞭然のことで、特別声を上げて言うことでもないだろう。

イングランド・プレミアリーグで彼がこの年にブレイクできるかどうかは、彼がサイドに開いたときに中に入ってくる人材、そして彼が前を向けるようにパスを出してくれる存在が重要になってくるはずだ。歴史的な投資が失敗に終わらぬよう願いたいところだ。