いよいよキックオフを迎えるバルセロナ対レアル・マドリーの「クラシコ」、113年の歴史の中には数々の熱いドラマがあった。今回は、歴史に残る名勝負を振り返ろう。

ラウール「静かに」

1999年10月14日 1999-00リーガ・エスパニョーラ第7節
バルセロナ 2-2 レアル・マドリー

ホームのバルセロナが2-1で勝利を確信する中、ラウールが後半終了間際にゴール。それと共に、ブーイングをしていたサポーターに対して黙るように指を「しーっ」と口に添えた。黙々とプレーするタイプのラウールが、こうした意思を表示するのは珍しく今でも語り草になっている。

このシーズン優勝したのはレアル・マドリーでもバルセロナでもなくデポルティーボ・ラ・コルーニャであった。レアル・マドリーは1990年代2回ほどしか優勝できておらず、歴史上では苦しんだ時でもある。

ヒーローの世代交代

2007年3月10日 2006-07リーガ・エスパニョーラ第26節
バルセロナ 3-3 レアル・マドリー

当時、バルセロナのスタープレイヤーと言えばロナウジーニョであった。19歳のリオネル・メッシは、カンプ・ノウでレアル・マドリーがリードをする度に得点を決め試合を振り出しに戻した。後半アディショナルタイムに3得点目を入れハットトリックを達成し、ホームでレアル・マドリーに敗北する屈辱を免れる。

それでも、このシーズンのリーガ・エスパニョーラを優勝したのはレアル・マドリーで、バルセロナはこのシーズン2位に終わる。タイトルがとれなかったバルセロナは変革が進み、ロナウジーニョからメッシへと時代が変わっていくことになる。

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