ジャンフランコ・ゾラ(元チェルシー)
※試合直後のインタビュー内容

「このゴールは、私の友達とその家族のためのものです。

友達の名前はマシュー・アシュトン君。二週間前にとあるホスピスで出会った8歳の男の子です。

病気に大変苦しんでいるようでした。しかし、そんな中でも非常に素敵な笑顔を見せてくれました。その笑顔のお礼に「何か特別なプレゼントをしよう」と約束したのですが……。

約束を果たすことは出来ませんでした。マシュー君は私と会った2日後、亡くなったのです。

本当に残念で仕方ありません。特に、私の娘と同年代でしたから……。

今の彼がどこにいようとも、今日の試合を観ていてくれたことを切に願います。マシュー君、ありがとう」

無情にも、ゴールは間に合わなかった。インタビューに応じながら、必死に涙をこらえるゾラの表情に悲痛な想いが凝縮されていた。

一連のエピソードが明かされたのはこの時が初めて。ゾラがそんな想いを抱えてプレーしていたとは、一部の関係者以外誰も知らなかった。

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