今回、テリーがどんな気持ちを込めてあのシュートをトライしたのかは想像することしか出来ない。だが、試合前から準備していたのはほぼ間違いないだろう。

というのも、この試合の開催日近くにゾラが何度かクラブを訪れ、チェルシーTVに出演した際にあのゴールについてのインタビューを受けて話題が再燃していた。加えて、当日のマッチデイプログラムでも大きく取り上げられていたのだ。

今のチーム状況で、しかも同じノリッジ戦でそれを試したと考えると、テリーの心には深刻な低迷から抜け出すための発奮材料をもたらす狙いがあったのかもしれない。

さらに藤永会長の推測では、「サッカーには勝ち負けだけではなく他にも大事な要素があるということを、一連のエピソードについて熟知するニール・バーネット氏がテリーに話したのでは」との見方もあり、いずれにしても単なる模倣以上の意味が込められていたように思えてならない。

真相は定かでないが、14年が経とうとする今でもそれだけあの1点は特別であり、その理由が見た目のインパクトだけでないことはお分かり頂けただろう。

ゾラが伝えたかった想い、それを具現化するゴールの偉大さは、すべての者に感慨の念を与えた。今後何年経とうが決して色褪せることのないこの特別な史実は、日本においてもぜひ語り継いでいきたい。

著者名:小松 輝仁

プロフィール:長野県在住のサラリーマン。中学時代にチェルシーに魅せられ、サッカーの「観る楽しさ」に気付く。その魅力を広く伝えるため一度はサッカーメディアに拾ってもらうも、途中で無謀な夢を抱いて退社。現在はその夢を叶えるために修行中。

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