その点“現実主義者”ファン・ハールには、どうにも未来がないように思える。

それはここ数か月で特別盛り上がっているネガティブ・キャンペーンに乗じている訳ではない。

“結果の出ない者は使わない”という理念は、デパイのような若手に伸び伸びとプレーする猶予を与えてはくれない。なによりも“失敗しないこと”を意識し、その結果として無難なプレーを優先させている。

過去に私はヤヌザイの状況にも同じことを述べたが(ファン・ハール就任の直前であった)、論理に裏打ちされた究極のポゼッションフットボールという哲学よりも、この思想が前に出てきてしまっていることこそが、ユナイテッドの抱える問題だと私は感じる。

ラツィオの若きブラジル人ウインガーの獲得も噂されているが、果たしてその必要はあるのだろうか。

スピードを求めるファン・ハールの発言も、私にはそこまで響いてこない(ギャレス・ベイルがやって来る訳でもないだろうし)。

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