フェリペ・アンデルソンを批判する気はもちろんない。しかし、私は近年のユナイテッドの市場での振る舞いに少々不満を抱いている。それは先の1月も例外ではない。
Manchester United agree £47million deal for Felipe Anderson, claims Lazio presidenthttps://t.co/GOn471Pbds pic.twitter.com/AdJE6WmKmA
— Mirror Football (@MirrorFootball) 2016年2月22日
エド・ウッドワードがCEOに就任する前、すなわちサー・アレックスとデイヴィッド・ギルがこのクラブを支えていた時代の話を少しさせていただこう。
2010年頃まで、マンチェスター・ユナイテッドというクラブは、様々なメディアに対して移籍の獲得・放出に関するオペレーションがほとんどといっていいほどリークされていなかった。
今は信じられないだろうが、ユナイテッドは自らのホームページ上の“移籍の噂”というコーナーでのみ、情報を公開し、「ここに書いてあること以外は信じる価値のないデマ」だと大きく掲載していた。そして、オフィシャルページに並ぶ名前のプレーヤーには信憑性のレベルが記載されており、ランクの高い選手はほとんどの確率でオールド・トラフォードにやって来た。
その後インターネットニュースの爆発的な発展と普及により、徐々に噂のニュースは多くなってきたが、それでも確実に、ユナイテッド側の動きが詳細に記事になることはなく、あくまで噂程度のニュースであった。
エド・ウッドワードはビジネスマンとしてのノウハウからあえて影をメディアに“さらして”いるのか。それとも、しばしば指摘される、マーケットでのクレジットの低さ・コネクション不足が招いた必然の結果なのか。
無論、このふたつは互いに間違ったことではないだろうが、仮に後者がより大きな原因であるならば、ファーガソンやギルが手を貸せばいい話であり、私はどうもこの“新米”CEOに対して信頼感を抱けない。この感情は、ファン・ハールへのものよりも大きいというのが、私の正直な心情である。