リオ五輪に向けたアジア最終予選での結果を受け、なでしこジャパンの監督から退任することを発表していた佐々木則夫監督。

18日、退任記者会見に臨み、その様子は日本サッカー協会のYoutubeチャンネルで生中継された。

なでしこジャパンを世界一に導き、日本における女子サッカーの発展に大きく貢献したそんな佐々木監督は、この会見で一体何を語ったのだろうか?今回はその全文をお届けする。

大仁 邦彌(日本サッカー協会会長)

「座ったまま失礼いたします。皆さんこんにちは。今日はお忙しいところを集まっていただきありがとうございます。

日本サッカー協会の大仁でございます。

オリンピック予選が終わりまして、3月10日に佐々木監督の方から報告の後に責任を取って辞任したいという申し入れを受けました。

その後、日本協会の理事会に報告をし、正式に辞任が決まりました。

今回のオリンピック予選は大変残念だったんですが、それまでの佐々木監督の戦績といいますか戦いは本当に素晴らしいものがありました。

2011年の女子のワールドカップの優勝、その後ロンドンオリンピック、カナダのワールドカップの準優勝と本当に素晴らしい成績をあげてくれたと思っています。

今回は残念ですが、それによってこれまでの成績が陥れられるものではないと思っております。

特に『なでしこスタイル』と言いますか、なでしこのサッカーを世界で戦えるようにした、と。逆に言えば、今『なでしこスタイル』を世界が真似してきていると言っちゃなんですが、そういう方向にきている。女子のサッカーを佐々木監督が変えたと思っております。

それによって各国が進歩してきたことによって今回オリンピック予選もこういう苦戦になったということが言えるかも分かりません。佐々木監督の功績は本当に大きかったと思いますし、今後も我々はこのスタイルを貫いていくべきだと思っております。

9年目ですか。本当に佐々木監督にはご苦労いただきました。しばらく休んでいただけるかどうかわかりませんが、感謝を申し上げたいと思います。

以上です」

佐々木 則夫(なでしこジャパン 監督)

「女子の指導者として携わって11年、そして監督として9年間。

これまで選手たち、そしてサッカー協会とともに世界を目指して仕事ができたということ。そしてこれまで世界と戦えて結果もある程度出て、未来へまたさらに向けられたこと。

最終的には大切なリオ五輪の結果には至りませんでしたけども、本当に僕自身は満足し、かつ充実した11年間をサッカーの指導者として経験できたということ。

これは本当に僕の宝物です。

今後どういう道にまだ行くか分かりませんけども、いずれにしてもこの経験がさらにまた良い経験となって次のステップに、自分自身の人生の一つになると確信して、新たなステージに向けて頑張っていきたいと思っています。

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