スペイン行きの話も
--デンマークの後、オーストラリア、キプロス、カナダとプレーしました。
トロントでは、家族もいましたしチームでも活躍できたんで凄く充実していました。カップ戦準決勝で(カナディアン・チャンピオンシップ)PK戦になり、僕が最後のPK決めて勝ったんですよ。
その翌日、僕の誕生日だったんですよ。チームメイトと一緒に誕生日と準決勝勝利のセレブレーションをやっていた時に、オフィサーが「明日からモントリオールにローン移籍してもらう」と言い渡されたんですよ。明日とか急ですよね…。
--モントリオールは当時USL所属でした。
モントリオールはフランス語だし、友達もいない。MLS5試合で2点も決めてたのに、なんで僕がモントリオールなんだよって怒りましたよ。モントリオールでは監督とも上手くいかなかったし、気持ちもネガティブで全然集中できませんでした。カナダ人が2~3人しかいなくて、アメリカ人、イタリア人、フランス人ばかりでカナダのチームに思えなかった。ヨーロッパの雰囲気はあったことが唯一の救いでしたね。
--MLSはシュートアウトを含めてルールが少し変わっています。
MLSについてはネガティブな気持ちしかないですね。あと、契約の違約金のシステムについてもFIFAのルールを無視して、MLS独自のルールがあったりするんですよね。契約残り3年残っているのに、給料は払わないとかね。ちょっと、酷いですよね。
--他の選択肢はなかったんでしょうか?
実は、MLSでプレーする前にキプロスにいました。その頃にカナダ代表監督のベニート・フローロの推薦を受けて、バジャドリーの練習に参加をしました。その時、MFの選手6人が怪我をしたんですね。突然、リーガ・エスパニョーラ(スペイン1部)で出場できるチャンスがきたんです。
でも、1月が終わってマーケットウィンドウが閉まっていたんです。レギユレーションとしては40万ユーロ(およそ4900万円)をFIFAに払い、尚且つ1人の選手を放出すれば1人追加できるルールがありました。しかし、バジャドリーにはそんな余裕はなかったんですよね。監督の期待を裏切ってしまったから、凄く辛かったですね。