サッカースパイクの世界でも毎年のように新しい技術が取り入れられている。
“軽さ”を追求するブームは徐々に落ち着きをみせ、最近は一周回って再び“フィット感”などにフォーカスが当たっている印象だ。その中で各メーカーが個性を見せている。
Nikeは新技術の導入に積極的。他社よりも多い「マーキュリアル」「ティエンポ」「マジスタ」「ハイパーヴェノム」の4サイロをうまく展開し、定期的にNEWモデルを投入してきた。
そんな彼らのスパイクに、日本では登場したばかりの気になる新テクノロジーがある。
「アンティクロッグ (Anti-Clog)」
clogというのは「詰まり」といった意味。この場合は要するに、スタッドの間に泥が詰まるなどしてグリップが効かなくなることを避ける技術だ。
雨の日あるいは雨上がり、天然芝や土のグラウンドで泥がソールに詰まり苦労した経験は、サッカーをやっていれば誰もが一度はあることだろう。
取替え式スタッドを使用した柔らかいグラウンド(Soft Ground)向けのSGソールはあるわけだが、泥が詰まってしまってはそもそもスタッドがピッチに刺さらない。結果、ツルっと滑ってしまうことがままある。
そうした状況に科学の力で立ち向かい開発されたのが、この「アンティクロッグ」なのだ。
技術の詳細については以前も紹介した、開発に携わった博士号を持つ専門家の一人、ジェレミー・ウォーカー氏のコメントが分かりやすい。
「水をはじくということから離れ、水を味方につけてなめらかな層を作ると同時に、トラクションの性能を損なわないものを作ることを考えました。泥の分子構造を理解することが、泥をプレートにつかないようにする親水性の高いものを開発することが鍵となりました」
さて、気になるのはその“実力”である。
「そうは言うけど、実際どうなの?」
というわけで、日本でも8月末に発売された「アンティクロッグ」搭載モデルから、『マジスタ オブラ II SG-PRO AC』をゲット!
実際に履いて調べてみることにした。