ロナウジーニョ
「君が最も誇りに思うのは、そのスタイルがバルセロナのサッカーを変えることだ。
スペインに到着した時、そこではレアル・マドリーが席巻しているだろう。しかし、君がクラブを離れる時、子どもたちはバルセロナのプレーを夢見るようになるんだ。
でも、聞いてくれよ。君の役割は、ピッチ上でやること以上のものになってくる。
バルセロナでは、ユースに所属する少年のことを聞くだろう。彼は君のような10番で、そして小柄だ。
彼はボールを持つと君のようなプレーをする。君も、仲間も、彼を見るためにユースのグラウンドへ行くんだ。
そして、君はその時に知ることになるよ。彼が偉大なサッカー選手以上の存在になることを。彼は違うと。
その少年の名前は、リオネル・メッシというんだ。
君はコーチに言うだろう。彼をトップチームに上げようと。そしてメッシが来た時、同僚たちは『ブラジルの選手みたいだね』と君に話すはずだ。
メッシに伝えるべきアドバイスを一つ授けておきたい。
彼に言ってくれ。『幸せを持ってプレーしよう。自由にプレーしよう。ただボールと戯れよう』と。
君が去っても、自由なスタイルはバルセロナに生き続けるよ。メッシを通してね。
人生には良いことも悪いことも起こる。しかし、それはすべてサッカーから来るものだ。人々は君のスタイルに疑問をぶつける。あるいは、負けた試合でも笑っていることを理解しない。
君には一つの記憶を思い出して欲しい。父がこの世を去った時、彼の映像は何もない。家族にはお金がなく、ビデオカメラも持っていない。父の声も、あの笑顔ももう見ることはできない。
しかし、君が常に持ち歩くことになる遺品がある。彼を思い出すために。共にサッカーをしているときの写真だ。
君は笑っている。ボールと戯れながら。父は幸せそうに君を見ている。
お金がやってくる。そこにはプレッシャーと、そして批判がつきまとう。しかし、自由であれ。
彼が言ったように、プレーしよう。ボールと戯れよう。 ――ロナウジーニョ」
ロナウジーニョ、「8歳の自分に書いた手紙」が泣ける…
Text by 石井彰(編集部)
カズに憧れて全身赤のスーツを買ったことで校内一の人気者になったが、中身が伴わず一発屋で終わったというエピソードを持つ島根県出身のエディター。その影響か赤いチームを好み、ヴァランシエンヌ、レイションエス、ノッティンガム・フォレストなどを応援している。
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