10年間という長い目で見れば、他スポーツからサッカーへ、あるいは海外サッカーからJリーグへといったように移っていくファンも少なくないはずだ。

また、低価格帯(月額税込み1890円)であることは中高生がサッカー漬けの日々を送るための敷居を大きく下げた。

それは即ち、Jリーグの見込顧客や潜在顧客をロイヤルカスタマー化(ファン化)しやすくなったことでもある。それはもちろん、サッカー文化の成熟にも繋がる。

誤解を恐れずに言えば、『DAZN』によるJリーグ中継の参入に文句を言っているのはおそらくコアなファン層だけである。

私だって今回の契約に思うことはある。

やっぱりサッカーはテレビで見たい。詳しくは後述するが、インターネット配信特有の遅延やサーバーの耐性を気にしながらの視聴はサッカー観戦の意義を大きく変えてしまうとさえ思っている。それも、有料サービスでありながらそうしたリスクを阻んでいるのだ。

しかし、この国のサッカーファンを一人でも増やしたいと考えた時に、『DAZN』は大きな可能性を秘めていると言う他ない。不安や懸念はあるものの、それでも私は『DAZN』がもたらすかもしれない明るい未来を信じ、その実現に賭けてもいいのではないだろうか。

Jリーグ放送を牽引してきた『スカパー!』は確かに素晴らしかったが、『DAZN』にだってインターネット配信者ならではの長所がきっとあるはずだ。

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