OH:中島翔哉(FC東京)
まだFC東京でもスタメンで起用されることは少なく、今回の選考には時期尚早な感はあるかもしれない。
しかし、バイタルエリアで決定機を作り出す創造性、どこからでもゴールを狙うアグレッシブな姿勢、スピードに乗るとファウルでしか止められないドリブルは、他の選手と比較しても特筆すべき水準にあることは疑いようのない事実。清武弘嗣が「翔哉はオーストラリアでのアジアカップの時、サポートメンバーで代表に帯同していたんですが、そこで初めて見て、『こいつ、めっちゃ巧いな』って思いました。A代表の選手を相手にしても十分やれていた」と語ったエピソードも有名な話だ。
視野の狭さ、球離れの悪さ、オフザボール時のポジショニング、守備面での貢献度など、正直、マイナス点はいくつも思い浮かぶ選手ではあるものの、清武と同様に「一度間近で見てしまうと、どうしても期待してしまう」という人は多いことだろう。A代表において、すぐさま即戦力としては計算するのは酷だろうが、近い将来のジョーカー候補として検討して欲しいところだ。
なお、クラブレベルでは主に左サイドで起用されることが多いが、選考の便宜上、今回はOHの扱いとした。
FW:長沢駿(ガンバ大阪)
鹿島アントラーズの鈴木優磨と最後まで悩んだが、「今のA代表に足りないピース」ということで、最終的には彼を推すことにした。
日本人離れした圧倒的な高さが最大の持ち味に思われがちだが、お得意のワンタッチシュートを筆頭としたシュートバリエーションの豊富さ、前線からの献身的なチェイシングなど、決して「高さだけの選手ではない」というのが彼の特長だ。
「長沢待望論」が巻き起こった頃に比べるとその勢いが少々弱まり、シュートに至るまでのシーンも減少している点は気になるが、チャンスさえ訪ればゴールを確実に奪える男。ガンバ大阪が上位争いをする上には彼の成長が必要不可欠であり、本人にとっても勝負の年である2017年にいよいよ覚醒するか。