イラクの強みは?
監督がバシム・カーシムに変わったことで大きな違いが出ているかというと、そんなことはない。システムが多少2ボランチに近づいている感はあるが、それもシュナイシル体制で見られた形だ。
唯一あるとすれば、「イラクのメッシ」ことフマム・ターリクが再び使われるようになったくらいだろうか?ただそれもジャスティン・メラムの離脱が大きな理由であるはずだ。
とはいえ、これまでと大きく違う点が戦術面以外で一つある。左サイドバックから攻撃を組み立ててきたドゥルガーム・イスマイールが不在であることだ。
イラクの攻撃の強みはサイドであり、特にドゥルガーム・イスマイールとアリ・アドナンで組まれる左は強烈だった。
しかし今回はそれが片方欠けている。サイドバックにバハジャートが入るか、アリ・アドナンが一枚下がってウイングにフマム・ターリクか。どちらにしても攻撃力がやや下がる。韓国戦でも最初はあまり前で守備を仕掛けなかった。
これが日本戦に向けての準備だとすれば、まずディフェンスから入ってくる可能性は高いのではないか?とも推測できる。
さてそうなったら怖いのは何か?
右サイドに入るであろう「イラクのクリスティアーノ・ロナウド」ことアハマド・ヤーシーンのドリブル突破、そしてアリ・アドナンの強烈フリーキックはもはやお馴染みである。
しかし、今回は少し編集部Kの「自分がイラクの監督なら…」という点で一つ予想込みで考えてみたい。
筆者ならば、今回招集されたFWアイマン・フサインを切り札として使っていくだろう。彼は190cm近い身長を持つストライカーで、父親がアルカーイダに殺されたというエピソードでも有名。空中戦に強く、日本があまり得意としていない相手である。
前半はムハンナド・アブドゥルラヒームやバシャール・ラサン、アラー・アブドゥルザフラのスピードでカウンターを見せておき、後半はアイマン・フサインで蹴る!蹴る!とにかく蹴る!
ユース年代での戦いを考えれば、日本は常にイラクの長身ストライカーに悩まされてきた。そういった歴史をバシム・カーシムは知っているだろう。
そんな展開になるのではないか?と予想し、吉田麻也と昌子源のコンビがどこまでイラクの前線を抑えられるかという点に注目してみたいところだ。