クラブ・アメリカ
メキシコ最大のメディア企業テレビサが所有するクラブ・アメリカは、メキシコで最も成功を収めたクラブ。そして、一度も2部に降格していないチームである。
国内リーグのタイトルは12回。CONCACAFチャンピオンズリーグでも7回の優勝を誇る超名門である。
本拠地もメキシコ最大のサッカースタジアムであるエスタディオ・アステカ。8万7000人を収容できる巨大競技場だ。
創設されたのは1916年。すでにメキシコではサッカーが人気あるスポーツとして広まっていた。
主に大学生で構成された初期のクラブ・アメリカは、そのとき首都メキシコシティに本拠地を置く唯一のチームであり、そしてメキシコ生まれの選手だけで構成されていた。同国人のプライドのようなチームだったと言える。
しかし1959年に大富豪のエミリオ・アスカラガ・ミルモがクラブを買収したことで状況は一転した。
テレビサの株主であった彼は多くの投資を行い、クラブは「億万長者」と揶揄されるほどの金満クラブに。
他クラブの有望な若手や優良外国人を無慈悲に強奪することから、今やメキシコで「最も人気があり、最もアンチが多い」という読売巨人軍的クラブとなった。
なお2015年の調査では、メキシコ人の31%がクラブ・アメリカのファンであり41%がアンチであるという結果が出ている。