すごすぎてつまらない伝説
現役時代のシェフチェンコは、どんな形からもゴールを奪うことができた。
一方、スピードこそ突出していたものの、個性的な選手が揃う時代にあってはやや地味で、日本では「シェフチェンコのゴールはつまらない」という言葉がネットの一部で流行した。
これには誰も止められない彼への妬みのような感情も含まれていたが、確かにあっと驚くようなスーパーゴールは少なかった。筆者は今から15年ほど前、彼のゴール集をまとめたDVDを購入し友人と視聴したのだが、なんだか微妙な空気になったことを今でも覚えている。
ただ裏を返せばそれはシェフチェンコが隙の無い、完全無欠なFWであったことの証ともいえるだろう。
ゲームでも最強だった伝説
彼の全盛期はウイイレの全盛時代とも重なった。オールラウンダーであった彼の能力は“凶悪”で、ユーザーから重宝された。
2014年、ブラジル紙は『サッカーゲームでお世話になった選手10選」にシェフチェンコを選出したが、そこにはこう綴られていた。
「シェフチェンコは恐怖だった。 こんなにも多くの(ゴールを陥れる)武器を持った選手はほとんどいない。 蹴ったらゴール。ヘディングしたらゴール。走ったら半分はゴール」
ゴルファーとしても一流伝説
サッカー界で有数のゴルフ好きだというシェフチェンコ。
元々は「サッカーのプレッシャーから逃れるために始めた」んだそうだが、2016年のリオ五輪出場を目指すほどプロ並みの腕前として知られている。
ゴルフとサッカーは全く違うとしつつ、「ゴルフでは集中し、バランスをとらなきゃならない。そこが好きなんだ。そのメンタルバランスがね。ゴルフは大好きさ」とも述べている。
政治家としても…?
なお、彼はその国際的な知名度により現役時代から政治との関りがある。引退後、一度は政治家に転身し選挙にも立候補したが落選したため、再びサッカー界に戻ってきた。
ただ、同じくミラン時代にバロンドールを受賞したジョージ・ウェアはリベリアの大統領となり、ディナモとミランで同僚だった元グルジア代表DFカハ・カラーゼは同国の副大統領を経て、現在は首都トビリシの市長を務めている。
将来、“シェヴァ”(シェフチェンコの愛称)が再び政治の世界に足を踏み入れる時がやってくるかもしれない。