冨安健洋
現在のU-21日本代表において、首脳陣が「最も安心して見ていられる選手」と称しても差し支えないだろう。それほどまでに、彼の冷静さや安定感は際立つものだ。
恵まれた体格に注目が集まりやすいが、彼の真骨頂さは「クレバーさ」をウリにした攻めの守備。相手攻撃陣の動きを先読みし、ピンチを未然に防ぐディフェンスは、19歳という年齢が俄かに信じられないほど老獪である。
この試合でも一戦目に引き続き、3バックの中央に構えて、その長所を存分に披露。
U-19ポルトガルの圧倒的な個の力を前に、終始攻め込まれるシーンが多かったが、シュートブロック、カバーリング、インターセプトなどで決定機をことごとく遮断した。
前半9分、ジョアン・フィリペのループシュートを(事前に予期して)ゴール前直前でクリアしたプレーは、この試合のハイライトの一つ。
サッカーにおいて「たられば」は厳禁ではあるが、もし、このゴールが決まっていれば、試合展開は全く異なるものになっていたのではないだろうか。