上田綺世

やはり、この試合で同点弾と逆転弾の2ゴールをマークし、「英雄」となった彼のことは触れざるを得ない。

現在のU-21日本代表は、例年通り、「Jリーグ組」が大半を占めるが、その中において少数派である「大学組」の一人。

二年生ながら法政大のエースとして既に名を馳せており、その得点感覚については「当世代屈指」との呼び声も高い、純然たるストライカーだ。

同点弾も逆転弾のPKを呼び込んだプレーも、持ち前のスピードとDFラインの裏を突くタイミング取りの巧さを活かしたものであったが、この年齢にして「明確な自分の形」を持っている点は末恐ろしい。

誰もプレッシャーで押しつぶされそうになる、試合終了間際に訪れたPKの場面については「(プレッシャーよりも)点を取りたいという気持ちが勝っていた」と振り返っていたが、「ゴールへの貪欲さ」では現時点でもプロ相手に試して欲しいレベルにある。

「特別強化指定選手」として、Jリーグの舞台に立つ日もそう遠くないだろう。